社労士試験の勉強で「過去問を何周も回したのに、択一が合格点に満たなくて不合格だった…。」といった不合格者の方をよく見かけます。
実際、私もまさに受験1年目にそのような状態で、38点で不合格した。
「あれだけ過去問回していたのに、なんで本試験になると全然解けないのだろう。」と頭を抱えていました。

過去問の最も危険な向き合い方として、「過去問を解くこと」自体が目的化してしまうことです。このままでは、何度勉強しても合格に直結しない学習になってしまいます。
今回は、過去問との向き合い方を整理していきます。
ぜひ来年合格を目指していけるよう過去問との向き合い方を見直すきっかけになれれば幸いです。
過去問に正解することを目的としている
過去問を解いている中で、以下の行動は危険です。
・〇か×か正解できた!で終わっている。
・速く解けるようになってきたことに満足する。
・何周も回すことで、過去問ができるようになったと満足する。
これらの考え方では、単なる正解数の確認にとどまり、実力は伸びません。
社労士試験は「理解した知識を応用できるか」が問われる試験です。
過去問は点数を取るために解くのではなく、「理解を深めるために使う」教材だと位置づけましょう。
なぜその肢になるのか説明できない状態で回答している
社労士試験の択一問題では、問われている根っこが分かっていないと本試験で戦えないことが予想されます。
ですので、過去問を解く際に「この問題はAが正解だったな」と覚えるのは危険です。
大事なのは “なぜその肢が正しい(誤り)なのか”を自分の言葉で説明できることが大事です。
- 条文や制度の意味は何を目的として作られたものなのか?
- 実際にその肢の内容が行われた時、おかしな条件となっていないか?
- 他の肢と比べてその肢が正しい(誤り)といえる根拠は何なのか説明できるか?
こうした視点を持つことで、新しい問題にも対応できる“応用力”が身につきます。
過去問は解けて当たり前だと思うことが大事
過去問ができるようになると、自信につながりますし、「合格できるんじゃないか!?」とついテンションが上がってしまうことでしょう。
しかし、過去問は、何度も解けば自然に正答率が上がることは当然です。
「できて当然」という気持ちで取り組み、間違えた場合は 理解不足のサイン と捉えることが大切です。
「たまたま正解したけど根拠が曖昧」という場合も油断は禁物。
過去問は知識の定着度をチェックするリトマス試験紙のような存在であることを頭に入れておきましょう。
過去問は直前期に時間配分のシュミレーションとして使うことがオススメ
これは、実際に私がしていたことですが、過去問は問題集のような位置で使用していませんでした。
過去問の使い方としては、直前期に本試験を意識した時間配分の練習台として使用していました。
- 択一式なら1問何分で解くのか?
- 難問にどの程度粘るのか?
- どの科目から順番に解くと効率が良いか?
- 「即答できるもの」と「考える必要があるもの」を仕分ける訓練
こうしたシミュレーションにより、本試験での焦りや時間切れを防ぐことができます。
模試でもこのような時間配分の練習は可能ではありますが、直前期の最終確認としての位置で取り組めることがメリットとしてあります。
難問に執着しすぎて理解しようと時間を使いすぎている
「難問を理解しきれないと不安…」と感じる方も多いですが、合格に直結するのは基本問題の取りこぼし防止です。
毎年本試験では、受験生全員が苦しむような難問があります。
本試験後に蓋を開けてみたら、多くの人が同じ問題で躓いています。
過去問を解いていると、そういった難問がいくつか出てきますが、これは受験生の点数を落とす為に入れられた問題であると考えられますので、執着して時間を使いすぎないことが大事です。
また、受験生を見ていると、基本問題はできるようになってきたことから難問に時間をかけ始める方を見かけますが、この勉強方法はオススメしません。
難問に時間をかけるよりも、頻出論点を確実に得点源にする方が効率的です。
合格ラインは“満点”ではなく“確実に基準点を超えること”。メリハリをつけて取り組みましょう。
過去問は使い方次第で強い味方にしよう!
今回は、過去問との向き合い方についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
過去問は、「解くだけ」で終わらせずに、ちょっとした工夫が必要です。
- 基礎問題については、なぜこの肢になるのか根拠を語る癖をつける。
- 一喜一憂せず、過去問と向き合う。
- 本試験を意識して時間配分をシュミレーションする。
こうした工夫をすれば、過去問は最強の教材になります。
ぜひ「過去問との向き合い方」について作戦を練り、合格へとつなげていきましょう。