こんにちは。れいるです。
私は、不合格だった1回目の令和5年度試験で、選択式の基準点割が3科目もありました。
実際の成績(結果)通知書はこちら。
「労基・安衛」「雇用」「厚生年金」で割れました。
当時は、こんなにも科目割れを起こしてしまって、3点割れずにどうやって合格するんだとひたすら頭を抱えて悩んでいました。
模試でも、すべて選択式の割れを出してしまっていて、割れないことなんてありえるのか?と思っていました。
しかし、悩んでいたって前には進まないですし、対策して自分を信じていくしかありません。
合格者がいるのだから、合格できるようになっているのは間違いないと思って、自分なりの対策を考えることにしました。
結果、翌年の令和6年度試験では選択式割無しで合格することができました。
見ての通りで、基準点ギリギリの3点だらけです。
いかに、私が選択式が苦手なのかお分かりいただけるかと思いますし、3点をなんとかして死守したということも分かっていただければ幸いです。
当然ながら、絶対に3点確保できる方法はありませんが、上記の結果から、やり方次第で3点確保できる可能性を高くできる方法はあるのだと思いました。
では、実際に私が試みた方法をご紹介していきます。ぜひ参考になれば幸いです。
選択式は、7月中旬から本格的に勉強を始める。
不合格の年に失敗したこととしては、「張り切りすぎたこと」「選択式の割れが怖くて早くから勉強しすぎたこと」でした。
当時、社労士試験がどのようなものなのかインターネットで調べていた中で、選択式の基準点割れで多くの方が不合格になっていると知り、選択式は早くから対策しておかなければならないのだなと考えてしまったことが誤りでした。
しかし、選択式の対策はひたすら暗記する勉強ですので、早くから暗記していても本試験当日になれば抜けている可能性が高くなることに気がつきました。
早くから対策しておかなければいけないのは、問題の論点を分かって判断していかなければならない択一式の方です。理解が必要である択一式の点数を上げる方が難しいですし、目安としては7月上旬ごろまでは択一式対策に集中する方が大事です。
また、択一式で論点を暗記した場合、勝手に選択式で問われる内容も覚えてくるものです。
選択式で問われる多くは、択一式で覚えたものの中の1つです。
効率よく勉強していく為にも、まずは模試の択一式で合格基準点を取ることを目指し、クリアできたら選択式対策を行っていくことをおすすめします。
悩んだ時の為に、答えの導き出し方を2つ用意する。
選択式では、人間の心理を突いてくるような選択肢を用意してきます。
その為、2つに絞れてもどっちが正解なのか悩んでしまうことがよくあります。
そこで、悩んだ時の対策として、答えの導き出し方を2つ用意しておくことをおすすめします。
例えば、Aの考え方で導きだしたもの、Bの考え方で導きだしたものがあるとします。
AとBの「考え方」について比べた場合、どちらの考え方の方が筋が通っているか?で判断します。
2つの考え方を用意することによって、客観視して回答することができ、片方が説得力のない回答の仕方であることに気がつかせてくれます。
では、実際にどのようにして1つの回答に対して、2つの考えを用意するのか説明していきます。
以下の内容は一例ですので、組み合わせ方が違っていてもOkです。
回答する時は、「どっちの方が納得できる考えなのか?筋が通っているのか?」で考えて判断してみてください。
①A:計算して考える B:自分の感覚で考える
この組み合わせは、私が実際に令和6年度の本試験で行った考え方です。
令和6年度本試験の労一選択B「雇用者総数に占める女性の割合」について回答を選ぶ際に、「雇用者総数は正確に覚えていないけど、労働力人口と同じで最初に6がつく数字だったのは確かだ」と暗記しており、次に「雇用者総数に占める女性の割合は、30%~40%な気がするな」とざっくりとした感覚で暗記をしていました。
選択肢には「35.8%」「45.8%」と2つあり、この2つで悩みましたが、計算した方が確かであると考え、「雇用者総数を仮に6,000万人ぐらいとして、女性の雇用者数は2,765万人と書いているから、雇用者総数に占める女性の割合は2,765÷6,000で考えると、45.8%が近いな」という解き方をすることができました。
これまで勉強してきた自分の頑張りから、「自分の感覚で考える」を信じたくなりますが、感覚で回答するのは不確かであり、少し怖いです。
ですので、客観的な考え方である「計算して考える」は、1つの回答方法として持っておいた方が安心です。
②A:中小企業目線で考える B:自分の会社で考える
労一・社一で問われる統計白書についてですが、これは「全国の統計から出されるもの」であるということを頭に入れておく必要があります。
当然じゃないか!と思われるかもしれませんが、いざ問題を目の前にするとやってしまいがちなのが「自分の会社は〇〇%ぐらいだから〇〇%だな」と判断してしまうことです。
ご自身の会社が多数派であれば問題ありませんが、世間的にはその回答が多いのかどうなのか考える必要があります。
また、全国規模で考えると大企業よりも中小企業の方が多いので、大企業目線で考えるのはおすすめしません。
問われている内容が、中小企業であればどういう回答になりそうなのか?と考えてみることをおすすめします。
③A:文章に合う言葉で考える B:社労士の勉強で出てきた言葉で考える
選択式の問題では、国語の問題のような文脈から当てはまるものを選ぶ問題があります。(主に判例問題。)
判例問題は、一旦社労士のことは忘れて国語の問題であると思った方がベターです。
私が令和6年度本試験で1問失敗したこととして、労一問Dの「労働協約上の一部の労働条件の内容が同種の未組織労働者の条件よりも不利益であった判例」の内容で、「なんか揉めてるから、『著しく不合理である』が内容的には合っていると思うけど、勉強した中で『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない』って文言よく出てきたなー社労士的にはこれかなー」と何の根拠もなく選んでしまったのです。
(参考:『社会保険労務士オフィシャルサイト 令和6年度選択式』)
「この判例は、労働組合側が不利益を受けていたこと」が問題であり、文章に一番合う言葉としては、「著しく不合理である」が正解でした。
これまで一生懸命になって社労士の勉強をしてきた受験生の気持ちを逆手に取るかのようにして、勉強してきた内容と文章に合うような内容を混ぜてくることが選択式の特徴であると思います。
統計白書は最初の数字だけ暗記すればOK。
選択式の問題で苦戦するのが、統計白書ではないでしょうか。
膨大な量があり、どこからどのように覚えていいのかも分からないですよね。
私もこれは覚えられない!とお手上げでしたが、「最初につく数字だけ覚えれば暗記の数も最小限にできるのではないか?」と考えて、最初につく数字だけ暗記することにしました。
例えば、前項でも記載した雇用者数総数についてですが、私は「6なんちゃら」としか覚えていませんでした。
本試験の問題の選択肢を見てみると、さすがに似た数字ばかり載せているような難易度難すぎるものはありません。桁は変えてくれているように思われます。
実際、令和6年度の労一選択Bの候補として上がっていた選択肢も、
「25.8%」「35.8%」「45.8%」「55.8%」とある程度の間隔をあけた数字が提示されていました。
前項でも記載しましたが、雇用者総数が「6がつく数字」と分かっていたら(実際私は、雇用者総数と労働力人口は6がつく数字としか覚えていませんでした。)、雇用者総数を仮に6,000万人として、女性の雇用者数は2,765万人と書かれている為、一番近い数字で「45.8%」と導くことができました。
ちなみに、私は画像のようにカードに最初につく数字別にまとめて暗記していました。
社労士試験は覚える量が膨大なので、できるだけ楽に覚えることも時には必要です。
その中でも、統計白書はふわっとした暗記でも正解できるので、ぜひラクして暗記する科目と位置づけしていきましょう。
判例は「知ってる言葉」より、「文章に合う言葉」を選ぶ。
社労士試験の選択式は、条文であれば社労士界隈独特の文言が正解肢となることがありますが、判例は国語力が試されます。
「何で揉めた裁判なのか?」「原告は何を訴えたくて裁判を起こしたのか?」が問題となっており、問題の糸を理解しているかどうかが問われます。
その為、判例は専門用語が問われていると思わない方がいいですし、「作者の気持ちを述べよ」と問われているような国語の問題に近い捉えた方をした方がいいです。
つい覚えたての言葉であったり、勉強していてよく出てくる言葉を選んでしまいそうになりますが、落ち着いて客観視しながら何が当てはまるのか考えるようにしましょう。
イメージとしては、パズルゲームのように「この文章に合うピースは何なのか?」と考え、ピタッとはまる選択肢を選ぶような感じです。
複数人で「せーの」で回答した場面を浮かべて、皆が出す回答はどれか考える。
ネプリーグというバラエティ番組で、『ファイブリーグ』というゲームがあり、1問に対して一斉に1人1文字ずつ担当する文字列の部分を回答して正解を完成させるゲームがあります。
私はこのゲームと社労士試験の選択式問題は似ていると思っていて、みんなが思う答えは何なんだろうと想像するようにしていました。
ファイブリーグでは、1人でも誤った解釈をしていれば不正解となってしまいます。
選択式は、択一式のように解釈が分かれる問題ではなく、答えは1つしか考えられないようになっています。
みんなが思っている回答が正解となる可能性が高いです。
ですので、「みんなこの解釈はできないだろう!私はこの考え方で答えを出してすごいぞ!」と思ったら、危険です。
ぜひ、この『ファイブリーグ』を頭に浮かべて、「みんなと心を合わせて正解させるぞ!」という気持ちを持って選択してみてください。
選択式は、短期暗記&多数決派になって対策しよう!
選択式と択一式の勉強方法や回答の考え方はまったく異なるものだと思っています。
選択式は、3点確保が難しく感じられますが、暗記すればするほど対策できるようになっています。
しかし、暗記できる量にも限界はあるので、直前期に一気に暗記する方が効率よく覚えることができます。
私は、大原の選択式トレ問を使用していましたが、ぶっちゃけ7月までには1周しかしていませんでした。
直前期になってから本格的に選択式トレ問を回すことと統計白書の暗記を行い、結果基準点をクリアすることができました。
また、選択式は社労士受験生の心理をつくような選択肢が用意されています。
これらに惑わされず、「みんなならどう回答するか?」「この文章に合うものはどれか?」と客観的な視点を持って考えることが大切です。
ぜひ、選択式で3点確保する為のコツを抑えて、合格を掴めるよう応援しています!
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