社労士試験の合格率の低さは気にしてはいけない理由について語る。

勉強方法

こんにちは、れいるです。

社労士試験は、合格率が低くて有名ですが、直近では以下のような結果となっています。

  • 令和4年度:5.3%
  • 令和5年度:6.4%
  • 令和6年度:6.9%

私は、令和6年度に合格したので直近では合格率が高い方でした。

しかし、合格率一桁台である試験ということを知っている人に「今年は合格率高い方でしたので…」と合格を伝えても、「いや一桁じゃん。合格率高いって言えないよ。」と即答されました。

やはりこの合格率一桁台である社労士試験は、超難関資格という部類に入ると言えます。

じゃあ、どうしたらいいんだよという話ですが、合格者を見ているとある程度の共通点があることに気がつきました。

例えば、就職活動で求人に応募する時、何でもかんでも応募ってしないですよね。
「この会社なら自分の経験が活かせそう」など、何かしら採用されそうな根拠を持って応募されるのではないでしょうか。
逆に未経験だとしても、「この会社で働きたい!」と思えば、応募先の会社について調べるだろうし、採用されるように自分をアピールするはずです。


そんな感じで、社労士試験にも合格できる可能性がある条件というか「あ、これなら合格圏内に入っていけるな」と思うものがあります。

つまり、合格者には有って、大多数の不合格者には無いものがあるということです。

では、実際に私の不合格・合格どちらも経験した上での話、合格者の方と話をして見えてきたことから、合格率は当てにしない方がいいと思った理由について考察していきます。

大多数が択一合格基準点を満たしていない。

令和6年度の平均点は、選択22.9点、択一30.6点でした。
対して、合格基準点は、選択25点以上、択一44点以上でした。

(参考:「第56回社会保険労務士試験の合格者発表」

選択はそこまで差はありませんが、択一が13.4点も差があります。

以上のことから、択一対策が不十分な人が多いということが分かります。

私は、不合格の1年目は選択対策に気を取られすぎて、択一が模試で最高でも33点だったにも関わらず択一対策を怠っていたことが敗因だと思っています。(本試験では38点でした。)

恐らく、択一の平均点が低いのは、多くの受験生が選択と択一の勉強時間の配分を誤っているからだと考えられます。

まずは、択一をクリアできないことには、合格圏内に入っていけないです。

また、択一対策として論点中心で暗記をしていけば、必然的に単語暗記だけで対策できる選択の勉強も同時に行うことができます。

まずは、模試で択一を合格基準点付近まで乗せること(理想は40点以上~)を目標としてから、選択対策をした方が効率よく勉強できると思います。

本気度に差がある。

精神論かよと思われそうですが、これは本当にそう思います。

私は、予備校に通っていましたが、通っていた学生にも本気度に差がありました。

講義中にスマホを触っている人や、最初から最後まで居眠りしている人もちらほらいました。

それに対して、前の方に座っている人、自習室にいる人はいつものメンバー化していて、本気度を感じる人たちは限られていました。

予備校で本気度を感じられた人たちが、あれから合格されたかどうかは把握できていませんが、社労士試験はそれほど本気で構えないと合格できない試験だと思います。

とにかく、社労士試験は試験範囲が膨大すぎて時間がいくらあっても足りません。

受験生の多くは社会人ですので、時間は限られていますし、何かを犠牲にしなければ社労士試験合格への道は厳しいです。

特にこれから社労士試験に挑もうと考えられている方には、それぐらいの覚悟は持っていただいた方がいいのかなと個人的には思っています。

努力は報われると信じてしまいがち。

私は、これまで20代のうちに奨学金を返済したり、素人ながら写真コンテストで入賞したりするなど努力をして目標を成し遂げてきた為、努力することが長所であると思って生きてきました。
しかし、社労士試験はというと、こんなに努力してもうんともすんとも点数が伸びない試験であった為、絶望しました。
また、自分の頑張りが認めてもらえないような気持ちになってきて、涙した時期もありました。

なので、努力しても応えてくれない試験だと思った方がいいですし、頑張ったら合格できると思わず期待しない方がいいです。

(社労士試験は、計画なしにガムシャラに頑張っても応えてくれません。本当に。)

実際に、私は自分の分析用にノートを作りました。

「できるようになったこと」「できなかったこと」を仕分けしていき、そのほか「なぜできなかったのか?」「なぜ間違えたのか?」をひたすら考えてまとめていました。

分析した結果、できていないこととして挙げたものは潰していくという作業ができているかどうかが、ポイントとなります。

この自己分析ができている人の方が、少数派である合格者なのではないかと思っています。

たった1点足りないだけで落ちる試験である。

社労士試験は、不合格になる人の中にも2つのタイプがあると考えられます。

1つ目が、「明らかに点数が足りない人たち」

2つ目が、「たった1点~2点だけ足りない人たち」

この2つのタイプがいて、大多数の人が不合格となってしまっていて、合格率が低くなってしまっているのです。

私からしたら択一50点台は目標でもあり、夢のような点数でしたが、いくら択一50点台取れていても、選択で基準点割れ1点足らずで不合格になってしまう。それが社労士試験です。

本当なら合格しているはずの人でも不合格にしてくるとてつもなく厳しい試験なのです。

「どうやって選択式3点を確保していくか」という策を考えて、基準点割れをしないという意識を持っていくことができれば、少しはチャンスが広がってきます。

ちなみに、私が実際にやっていた対策としては、「1つの暗記に対して、2つの答えを自分の中で用意しておくこと」でした。

例えば、令和6年度の本試験の労一選択B「雇用者総数に占める女性の割合」について回答を選ぶ際に、「労働力人口は最初に6がつく数字だった」と暗記しており、次に「雇用者総数に占める女性の割合は、30%台~40%台な気がするな」とざっくりとした暗記をしていました。

選択肢には「35.8%」「45.8%」と2つあり、この2つで悩みましたが、計算した方が確かであると考え、「労働力人口は最初に6がつく数字だったから、6,000万人ぐらいで、女性の雇用者数は2,765万人と書いているから、雇用者総数に占める女性の割合は2,765÷6,000で考えると、45.8%が近いな」という解き方をすることができました。

このように、何でもいいので自分の中で答えを2つ用意しておいて、悩んだ時の保険をかけながら勉強していけば、1点落ちになる可能性も低くしていけるのではないでしょうか。

合格後のビジョンを思い浮かべていない。

これまでお話してきた通り、社労士試験は中途半端な気持ちでは合格できない試験です。

では、この中途半端な気持ちでなくする為には、どのように気持ちを持っていけばいいのか考えた結果、「合格後のビジョンを明確にすること」が必要であると考えました。

ここで言うビジョンとは「社労士試験に合格したら開業します!」というような具体的なことだけではありません。

「合格者同士で飲みに行きたい!」「新しい出会いがほしい!」などでOKです。

合格後のビジョンがないまま勉強していると、目標があやふやになってしまい、モチベーションも上がりにくいです。
次第になんの為に勉強しているのかも分からず、また来年でいいかと先延ばしになる恐れもあります。

一方で、少数派である合格者を見ていると、合格したらどんな自分でありたいか考えていたからこそ行動力のある人が多いように見受けられます。

実際、私も合格者の会に参加させて頂きましたが、想像よりも多くの方が会に参加されていて積極性を感じました。
また、お話していても、合格してすぐに社労士の先生にお話を伺いに行った方や、セミナーに参加されている方もいて、合格後の「どんな自分でありたいか」というビジョンが明確であったからではないかと思いました。

少数派になれば合格率の低さは怖くない。

とある先生がおっしゃっていたことで頭に残っていることが「社労士試験では、少数派にならなければならない。」という言葉でした。

みんなと同じことをしていても、社労士試験では100人受けても6人程度しか合格できない為、意味がありません。

例えるなら、「あの人ちょっと変わってるよね」と思われるようなことをしたもの勝ちである試験ではないでしょうか。

しかし、単に変わった勉強方法をすればいいということではなく、「合格者がしてきた勉強方法」や「勉強に対する姿勢」から学び、自分のものにしていくことが近道であると思います。

社労士試験は、本当に過酷な試験であり、本試験までモチベーションを維持することだけでも難しい試験です。

それでも、諦めなければたとえ合格率が低くても合格できる可能はある試験でもあります。

ぜひ、今ご自身にないものは何なのか見つけるヒントになって、社労士試験に挑んでいただければ幸いです。

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